チェンソーの刃って研げるの?どれくらい使ったら交換なの?曲がって切れるけどどうしたらいい?、、、など、チェンソーを初めて使う人には多い疑問だと思います。今日はチェンソーの刃とその研ぎ方について解説してみたいと思います。
チェンソーの刃(ソーチェン)の基本構造
そもそもチェンソーはどのように木材を切っているのか。それを正確に知っている人は少ないと思います。まずその仕組みを知っていただくことで、目立ての重要性や、チェンソーの奥深さを感じてもらえるのではないかと思います。
カッター
カッターはカッター本体(1)デプスゲージ(5)横刃の刃先(4)付きの上刃(2)および上刃の刃先(3)で構成されています。
横刃および上刃の刃先は相互に所定の角度になっています。これは最適な切断性能のためにとても重要です。目立ての角度が正確な場合、自動的にこの角度になります。
切断の原理
カッターはかんなの刃の原理で切断していきます。
上刃の刃先が切り口の断面を削り、切りくずを持ち上げ、それと同時に横刃が切りくずを木材から切り離し、切りくずが取り除かれます。
また、デプスゲージの上部と上刃の高さの差はデプス量と言って、この高さの差がとても重要です。
ソーチェンの目立て(研磨)
チェンソーにとって目立て(研磨)はとても重要です。目立てがうまくされていないと、チェンソーのエアクリーナーやエンジン回りの汚れが酷くなります。そのため常に切れるを維持することはチェンソーの調子を保つことにもなります。
ソーチェンはいつ研ぐの?
でもそもそもいつ研げばいいかわからない方もいらっしゃると思います。そのタイミングは単純に切れなくなったときですが、具体的に言うと次の5つのどれかの症状がでたときです。
・切りくずが粉状で細かい
・チェンが切り口に挟まる
・曲がって切れる
・押さえつけないと切れない
・切断中に切断口から煙が出る
誤った目立ての例
誤った目立てをしてしまうと、すぐに切れやんだり、曲がって切れてしまったりします。誤った目立ての例をいくつかご紹介します。
横刃の角度がフック状になっている
症状:チェンが切り口に挟まる。すぐ切れやむ。キックバック(跳ね返り)が起こりやすい。
原因:ヤスリの通る位置が低い。ヤスリの直径が合っていない。
横場の角度がバックスロープ状になっている
症状:切れない。切断時に強く押し込まなければ切れない。
原因:ヤスリの通る位置が高い。ヤスリの直径が合っていない。
カッターの長さが揃っていない
症状:曲がって切れる。切り口に挟まる。
原因:ヤスリをかけるときに削る量が左右に違いがある。
デプスゲージの設定が不十分
症状:チェンは鋭利でも、切れない。
原因:目立て後に、デプスゲージの設定を確認していない。
ソーチェンの目立て方法
正しいチェンソーの目立ては、チェンソーの性能を最大限に発揮するだけでなく、トラブルを避けることにもなりますので、是非、今回ご紹介する目立ての方法を実施して頂けたらと思います。
目立て準備
正確に目立てをするためには、まずソーチェンに付いた樹脂や切りくずなどの汚れをしっかり落とすことです。カッターはもちろんソーチェン全体をきれいにすることで、カッターの痛み具合の確認やソーチェンの亀裂など異常を見つけることができます。もし亀裂があった場合は使用をやめて販売店にてソーチェンの修理を行って下さい。
次にソーチェンを通常よりもかなり強めに張ります。ソーチェンが緩い状態だとカッターにヤスリを当てたときにカッターが逃げてしまいます。そして、チェンソー本体は万力もしくは専用のクランプを使って固定してください。
目立ての方法
- 1番痛みが大きいカッターを見つけます。そのカッターに赤マジックなどで印をいれそれを起点とします。
- ヤスリの柄とヤスリの先端を両手で持ってください。カッターの内側から外側に向かってヤスリをかけます。
- ヤスリは必ずガイドバーに対して直角90度に持ちます。ヤスリは前方に動かすときにのみ削ります。後方に動かすときはヤスリをカッターから離します。
- ソーチェンは一般的に角度30度にヤスリをかけます。
- ヤスリの直径の1/4が上刃から出るようにカッターに当ててください。
- ヤスリをかけた断面が一様に光って明るくなっていれば適切に目立されています。くすんだ色が少しでも残っているとまだ痛みが残っているサインです。
- 専用のゲージを使い、デプスゲージの高さをチェックします。ゲージのレベルより高くはみ出した部分を平ヤスリで削ります。
- デプスの調整が終わったら目立て完了です!
目立てが苦手な方は、今回ご紹介した内容を参考に目立てを頑張ってみてください。もしわからないことがありましたら当店までお気軽にお問合せください!
目立てをプロにお任せ
説明を見てもなかなか上手くいかない。という方は当然いらっしゃると思います。そんな方はプロにお任せください!
チェンソー本体ごとタニグチ商会へお持ち込みいただくか、ソーチェンのみを当店までお送りいただければプロのスタッフが丁寧に目立て作業を行い切れ味を復活させます。
目立料金表 (1本あたり) ※税別
35センチ 未満 | 1,000円 |
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40センチ 以上 | 1,300円 |
無料点検の実施
チェンソーごと持ち込みの場合には、目立て以外にも無料にて下記の点検を実施しています。
- エアフィルタの清掃
- 燃料フィルタの点検
- チェンスプロケット周辺の清掃
- チェンスプロケットの摩耗の点検
- ガイドバーの曲がりや消耗具合の点検
- エンジン始動と加速の点検