チェンソー作業はチャップスや防護手袋などで安全確保を。

最近はチェンソー事故から身を守るグッズが各メーカーから販売されています。デザインのバリエーションも増え、おしゃれなものも多くあります。今日はその防護グッズとチェンソー事故の現状についてお話します。

チェンソー事故の現状

ソーチェン(刃)は時速70kmで動いています。そのため、チェンソーでの切創事故の被害は大きく、治療にとても時間がかかったり、回復不可能な後遺症や、最悪死亡することもあります。
そして、下の図の通り、チェンソーによる切創は圧倒的に下半身、特に左足に集中します。チェンソーの事故の特性を知り、是非それを防ぐための事前準備を行ってくださいね。

 

 

全国の林業での事故

林業用防護グッズが普及もあり、林業におけるチェンソーの事故は減少傾向にはありますが、未だに多くの方が被害にあわれています。

平成27年から28年の2年間で、林業に携わる人のうち、3000人弱の方が休業4日以上必要な死傷をしています。そして、その3000人弱のうち550人はチェンソーによる事故です。

しかも、林業関係者以外の一般家庭ユーザーの事故はここのグラフにはカウントされていないので、実際は、まだまだ多くの事故が起きていると思います。

福井県の林業での事故

タニグチ商会がある福井県では、平成29年に18件の事故がありました。この数字は、全国平均の28人に対しては少ない結果ですが、もともと林業従事者が少ない福井県ということを考えると決して18件というのは少ない数字ではないです。

チェンソー作業の必需品たち

最新の防護グッズは、防護面での安全性はもちろんのこと、作業者が快適に使えるような工夫や、若い方にも好んでいただけるようなカッコいいデザインのものが増えてきました。

チャップス

一番事故の多い下半身を守る脱着可能で便利なチャップス。回転するソーチェンが触れると瞬時に特殊繊維が飛び出し、ソーチェンに絡みついて動きを一瞬で止めます。服の上から装着します。ワンタッチのバックル式になっていて簡単に脱着ができます。

切創防止ズボン

チャップスと同じく下半身を防護するものです。回転するソーチェンが触れると瞬時に特殊繊維が飛び出し、ソーチェンに絡みついて動きを一瞬で止めます。チャップスと違い防護面自体がズボンなので夏場でもムレが少なく軽量で快適です。また、最近はデザインも増えオシャレなものも販売されています。

防護手袋

下半身の次に事故が多い手を守る防護手袋。切断時に手に伝わる振動を軽減するもの、丈夫な革製で手を守るもの、チェンソーで切れない切創防止機能がついているもの、など機能別でみても種類は多くあります。

防護ヘルメット

ヘルメット本体で、上からの落下物(枝など)や、木の上から転落した場合に頭を守ります。さらに、フェイスシールドにより、チェンソー作業中に飛んでくる木くずなどを防ぎ顔面を守ります。そして、チェンソーのエンジン音から耳を守るためのイヤマフも装備されています。最新のモデルでは装着時の頭のサイズ調整がワンタッチで行えたり、通気性がよく、ムレにくいものがあります。

防護ブーツ

山では木の上を歩いて滑ったり、切った木材に足を潰されたり、チェンソーで切ったりする危険があります。 防護ブーツは、ソール面が滑りにくい形状になっていて、つま先に鋼鉄製や樹脂製のカバーが装備され、チェンソーでの切創を防ぐ機能も付いています。最近では軽量設計、ゴアテックス採用で防水なのに通気性がよくムレにくいモデルがあります。

保護メガネ

チェンソー作業時には、大きな木くずがかなりのスピードで顔面に飛んでくる場合があります。目に当たれば失明する恐れもあるので、必ず必要になるアイテムです。モデルによっては、金づちで叩いても割れない頑丈なものもあります。

 

ということで、上に書いた通り、チェンソー作業は大変危険を伴います。だからこそ作業前の準備が大切なんです。まずは格好から入って、頭から足先まで防護グッズを身に着けください。お金で買える安全・安心は買っておいた方がいいと思います。それに格好が決まれば見た目もカッコよくなるのでやる気にもつながるのではないでしょうか。

それでは皆さん。防げるケガはしっかり防いで、楽しくチェンソーライフをすごしてください!