安価なチップソーにはご注意を!

量販店でなどでよく見かける1000円で2~3枚入りのお得なチップソー。それをお使いの方のほとんどが、どうせ年に数回の草刈りだし、多少切れ味か悪かろうが構わないし、使い捨てでいい!という考えをお持ちだと思います。確かに、年1~2回の使用頻度でチップソーにそこまでお金をかけるはなかなか気が進まなくて当然です。しかし、それはお勧めできません。高速で回転するチップソーだからこそ、確かな安全性が求められます。今回はその安価なチップソーを使い続けるとどうなるかお話したいと思います。

安価なチップソーの危険性

タニグチ商会では刈払機のメンテナンスを行っていますが、その時にお客様からよく耳にするのが、安価なチップソーによるトラブルです。実際に起きているトラブルをまとめました。

安価なチップソーによる負傷事故

チップソーの刃先には耐摩耗性に優れた硬い素材のチップというものが溶着されていまが、安価なチップソーでは、そのチップの溶着力が低い傾向にあります。そのため使用中にコンクリートや石に接触すると容易にポロっと欠けて飛んで行ってしまいます。欠けて切れ味が落ちるのは刃を交換すれば済むのですが、問題なのは、欠けて飛んで行ったチップです。チップソーは高速で回転しているので欠けたチップはものすごい勢いで飛んで行ってしまいます。そのため周囲の車を傷つけたり、近隣住宅のガラスを割ってしまうトラブルも多く発生しています。運が悪ければチップは自分や周りの人に突き刺さり重大な死傷事故になってしまう事もあります。

重心バランス崩れによるトラブル

チップソーは回転する刃なので、チップが2個から4個程度欠けてしまうと、全体の重心バランスが崩れてしまい、回転する事で大きな振動が生まれるようになってしまいます。その振動が発生したまま使用すれば、作業者の手が振動障害を引き起こす危険があります。また、刈払機本体の組み立てボルトなどが緩む事にも繋がり故障の原因にもなります。

安心安全な日本製のチップソー

日本製のチップソーの多くには、その証としてJISマークが表記されています。JISとは、工業標準化法に基づき制定される、日本の国家規格です。また、価格は2000円~3000円程度です。では、安価な海外製のチップソーに比べて、日本製のチップソーはどのような違いがあるのでしょうか?

チップが飛びにくい

使う事でそのチップの強さはすぐにわかります。チップの溶着が強い日本製のチップソーは、使用中に石やコンクリートなどに接触してもなかなかチップが飛びにくく安全です。

チップの耐摩耗性が高い

チップ本体の硬さにも違いがあります。日本製のチップソーのチップは硬く耐摩耗性に優れています。そのため切れ味が長持ちするので作業効率がアップします。

再研磨が可能

日本製のチップソーは基本的に再研磨が可能です。チップが欠けているものは再研磨が出来ませんが、使用後丸くなったチップ自体をダイヤモンドの砥石で研磨し角を付けてあげることで、再び切れ味が復活します。

作業者にも刈払機にも優しい日本製を。

安全性能が高い日本製のチップソーは作業者や刈払機にとって安心安全なものです。安価な海外製に比べれば価格は少し高いですが、安全性能や作業効率を考えれば価格の差以上にメリットは多くあります。是非とも、これからチップソーを選ばれる際にはJIS規格の表記がある日本製のものを選んで頂き、安心安全に草刈作業を行って頂きたいと思います。