チェンソーを安全に使うには?

最近、タニグチ商会を訪れるお客様を見ていると、チェンソーの利用される方は、薪ストーブユーザー様が増えた事もあり、比較的幅広い年齢層の方々に使用されているなという印象があります。つまりチェンソー入門をする人が増えています。そんな方々にいつも聞かれるのが、、、「チェンソーってとても危ないんでしょう?」「どうやって使えば安全?」という事です。そこで今回は、初心者の方に安全にチェンソー作業をして頂けるように少しでも役立つ情報をご提供できればと思い掲載することにしました。

実際にどのような危険性があるのか?

チェンソーは名前の通り、刃の付いたチェンがエンジンやモーターの力で高速で回転させている道具です。しかし、その回転するソーチェンの特性として使い方によってはキックバックという危険な現象が起こります。また小型で軽量な枝打ちチェンソーではで誤った使用によって手脚を負傷する事故も多く起こっています。

直線キックバック

チェンソーで木を切断中、刃の上側に木の切断面が挟まることによってチェンソー本体が手前に跳ね返ってくる「直線キックバック」という現象が起こります。また、刃の上側を使って切り上げる作業にも起こります。直線的に跳ね返ってきたチェンソーは胸や足に向かって飛んできますのでとても危険です。

跳ね上がりキックバック

チェンソーの刃先の上半分が木に触れると、刃先が跳ね上がる「跳ね上がりキックバック」という現象が起こります。跳ね上がった刃は作業者に向かってきますので大けがをする危険があり大変危険です。

切り落としによる下半身の負傷事故

腰より上にある木を玉切りしている際に、切り終わった丸太が落下するのに釣られてチェンソーの刃も落下し、下半身に刃が当たり負傷します。チェンソー事故の中でこの事故が一番多く、特に左足を負傷するケースが多いです。

トップハンドルソーでの負傷事故

トップハンドルソー(枝打ちチェンソー)は手軽で使いやすい反面、事故も多く起こっています。トップハンドルソーを片手で持ち、高い位置にある枝を手を伸ばして切断したとき、切れた枝に釣られてチェンソーも落下し、作業者に刃が当たり負傷します。また、トップハンドルソーを右手で持ち左手で枝を持ちながら切断しようとしたときにも、誤って左手を負傷するケースもあります。

どのような準備をしたらいいのか?

まずは見た目が肝心です。自分の身を守るために防護アイテムを身に着けて下さい。頭からつま先まで装備することで万が一に備えましょう。

  • 防護ズボンの着用
  • 安全メガネの着用
  • 防護手袋の着用
  • 鉄心入りのブーツや安全靴の着用
  • 落下物用のヘルメットの着用

安全に使うポイントは?

安全にチェンソーを使うためのポイントにまとめたので、そのポイントに注意しながら実践してください。

胸より上の位置でチェンソーを使用しない

胸より高い位置にある木を切る行為は大変危険なので、胸より上の位置での使用は避けてください。また、脚立などに乗っての作業も危険なので避けてください。どうしても高い位置の枝などを切る場合には高枝切用のノコギリの使用や、木登器を使い木に登ってから切るなどしてください。それらが難しい場合には専門の業者さんに依頼してみてください。

玉切りはチェンソーの手元を先に下げる

一般的に玉切りの時には、膝を曲げずに腰を屈めて丸太を切断するケースが多いですが、その方法では、切り終わったときにチェンソーの刃先が落下して脚を切ってしまう危険があります。玉切りの時には、膝を曲げてチェンソーの手元を先に下げながら切っていきましょう。

切断する線上に立たない

刃の切断する線上に立つと、キックバックや刃先の落下によって負傷する危険性が高くなりますので、切断する線上には立たずに少し左側にずれて作業を行ってください。

キックバックに注意する

刃先の上半分や、刃の上側を使った作業はキックバックが発生しやすくなります。作業中はチェンソーの刃の特性を考えながら、キックバックが起きないような使い方を心がけて下さい。

安全にお使いいただくために

チェンソーのケガを防ぐには、まずは頭からつま先までの安全装備をしっかり整えることが必須になります。あとは今回書かせて頂いたポイントに注意しながら行ってください。また、心構えとして作業中は常にチェンソーの特性を考えながら行い、「ここから切ると危険かもしれない」「ここで無理すると事故に繋がるかもしれない」など、常に注意の意識を働かせながら作業することも大切です。

チェンソーのケガは重症なケースが多く、治りもとても遅いです。今回の記事で一人でも多くの方が快適安全にチェンソーを使ってもらえれば幸いです。