刈払機を安全に使うには?

毎年刈払機を使った草刈作業での死傷事故が後を絶ちません。足先や脚を負傷または切断したり、最悪の場合出欠多量によって死に至るケースもあります。そんな悲惨な事故を少しでも減らしたいと思い、今回は、刈払機を安全かつ安心して使用して頂く方法をご紹介したいと思います。

必要な装備と刈払機の選び方

安全に使うためには、まずは大切なことは身に着ける装備と、使用する刈払機が正しく整備されているかが重要になります。

服装

まずは頭から足の先まで装備を整えましょう。この6つのアイテムは必ず着用してください。

  • ヘルメット
  • 防振手袋
  • 長袖長ズボン
  • 保護メガネ
  • 鉄芯入りの靴(安全靴)
  • 肩掛けベルト ※腰バンド付きのもの

刈払機

刈払機を選ぶ際には、トリガー式のスロットル装置を装備したものを選んでください。トリガー式のスロットルとは、エンジン回転調整のレバー(固定レバー)のほかに安全レバーが追加されたものなどを言います。

※現在販売されている刈払機はすべて装備されています。

つまり、作業中に転倒などしてアクセルから手が離れた時にはアクセルがリセットされて、アイドリングにもどるように設計されていることが重要というわけです。

安全上大切な使用前点検

使用前に必ず次の項目の点検を行ってください。

  • 刈刃に割れがないか チップソーであればチップの欠けはないか
  • 飛散防護カバーは適切な位置についているか
  • ハンドルにヒビや破損はないか

 

絶対に守ってほしい⑦つのこと

刈払機の事故は使う環境や間違った使い方によっても起こりますので、次のことに注意して作業を行ってください。

上下作業の禁止

同一の斜面にて、2人以上で刈払機作業をする場合は、上下作業にならないように注意してください。作業者の下に人がいると、石や木片などが落下して下方の人に危険が及ぶことがあります。

近接作業の禁止

刈払の作業中は作業者から半径5m以内は危険区域です。作業者はエンジン音や作業に集中しているため、周囲に意識が向いていません。そのため近くに踏み込めば、刈刃に巻き込まれたり、回転刃に弾かれた小石が飛んできたりして危険です。

刈刃への接触防止

作業中に草が刈刃に絡みついてしまうことがあります。絡みついた草を取り除くときには必ずエンジンを停止してから行ってください。エンジンがかかったまま取り除こうとすれば、不意に回転した刈刃に巻き込まれることがあります。

キックバックの防止

キックバックとは回転している刈刃が、木や石に接触した場合に回転方向の反対側に跳ね返される現象のことです。刈刃を時計と見立てた時に、12時~3時の部分に木や石が接触するとキックバックが起こりますので、その範囲に当たらないように注意しましょう。

大振り又は往復刈の禁止

操作桿を大振りするとバランスを崩して転倒の危険があります。刈り払う対象物によって刈幅、刈進み速度を調整してください。

急傾斜地での注意

急傾斜地では、斜面の下方に向かって刈進まないようにしてください。急斜面を下方に向かって刈進むと、足を滑らせ、転倒し刈刃で下半身を負傷してしまう恐れがあり大変危険です。急斜面では必ず等高線方向に沿って刈進んでください。

刈払いの高さ

刈払い作業は刈刃を腰より高い位置で使用しないでください。腰より高い位置で使用しキックバックが起きれば、弾かれた刈刃により身体を負傷する恐れがあります。さらに、刈り払った物やクズが飛散してきてとても危険です。

安全に作業を行うには

正しい基本動作を守って刈払い機作業をすれば、安全な作業となるばかりでなく、疲労が少なく、また能率もアップします。

常に身体のバランスがとれた姿勢で行うこと

操作桿を軽くにぎり、上体をまっすぐおこして、両足を肩幅よりやや広めに開き、右足を半歩前に出します。刈刃は刈刃の送り方向へやや傾けて構えます。

傾斜地では、転倒しないように、常に足元を確認すること

歩幅を小さく足元を確認しながら進みましょう。また、雨上がりなど滑りやすい斜面には、滑り止め付きの長靴や足袋を着用してください。

常に正しい基本動作を守ること

前進は、刈り払った分だけ、右足からすり足で行います。また、腕だけで刈払機を操作しないで、刈刃が常に体の正面になるように膝と腰も使って操作します。

草原の背景に草刈り機の画像。見出しには「豊富なラインナップで最適な草刈り機が見つかる」と書かれている。