皆さんこんにちは。近年、福井でも高気密高断熱の性能の高さを売りにする住宅メーカーさんがとても増えています。新築住宅に24時間換気が義務づけられていることが理由の一つですが、その流れによって薪ストーブの選び方も変わって来ています。ではどのような薪ストーブが高気密高断熱の住宅に向いているのか、省エネ住宅の仕組みとともにお話したいと思います。
高気密高断熱住宅のしくみ
高気密高断熱住宅とは断熱材を用いて、気密性を高めることで冷暖房の効率を高め、汚れた空気やアレルギー物質の侵入を防ぐことが出来る住宅です。国内の新築省エネ住宅は、屋内と屋外の気圧差が基本的に9.8㎩で計画されています。
省エネ住宅と薪ストーブ
24時間の喚起によって常に綺麗な空気を取り入れている省エネ住宅ですが、換気扇で室内を排出しているので室内の気圧は「負圧」になります。薪ストーブが通常燃焼しているときはドラフトによる煙突が空気を吸い込む力(排気圧力)は15㎩~30㎩程あり、室内の気圧より煙突が煙を引っ張る力が上回るのでスムーズに排気されます。
しかし、窓を閉め切ってレンジフードを回したり、夜焚きで薪を低温で焚くことで生じる不完全燃焼では燃焼温度が低くドラフト効果も弱まり、排気圧力は10㎩以下まで落ちてしまいます。その時、室内負圧との差がほとんどないか低くなるため、室内に煙が漏れ出て一酸化中毒の恐れが高まってしまいます。
負圧への対策としては・・・
窓を開けるなど、小まめに換気を行ったり「同時吸排気」型のレンジフードにしたり、新築であれば、若干コストはかさみますが、24時間換気システムを強制排気+強制給気の方式にすることをお勧めします。
省エネ住宅に適した薪ストーブは?
省エネ住宅に求められる条件としては・・・
- 限られた室内の空気でも燃焼できること
- 室内の圧力に左右されないこと
この2つです。つまり、以下のような薪ストーブがこの条件にピッタリです。
外気導入型の薪ストーブ
近年需要が高まっていて、多くの薪ストーブに標準又はオプションで設定されているのが外気導入システムです。燃焼のための空気を室内からでなくアルミ製のダクトなどを使って屋外から空気を取り込む仕組みになっています。
写真のように外気導入を装備した薪ストーブは、その本体の空気取入口と、床下または外壁を貫通させた穴とを専用のダクトで繋ぎます。
※外気導入は室内の気圧に影響を受けずに燃焼できますが、夜焚きによる低温の不完全燃焼への完全な対策にはなりませんので注意が必要です。
気密性の高い鋼板製の薪ストーブ
鋼板製の薪ストーブは、精密なパネルを溶接結合することにより、暖房効果を得るための炉内温度を保つ気密を高めることが可能なため、限られた空気で効率よく薪を燃焼させることが出来ます。それと同時に、一酸化炭素の流出を防ぎ、かつ広面積のガラスからも大量の燃焼熱を放出させることが出来ます。
省エネ住宅への薪ストーブ導入ならタニグチ商会まで
省エネ住宅は断熱性能が高いため、ここ数年の日本での薪ストーブ事情も少し変化してきています。欧州と同様に日本でも比較的コンパクトで出力を抑えたもので、なおかつ速暖性に優れた鋼板製のストーブが注目されています。
高気密高断熱の住宅において、大きな部屋だからと大きな薪ストーブを設置してしまうと、わずかな時間で室内は不快なほど高温になってしまいます。かといって控えめに焚けば不完全燃焼をおこして煙突が詰まる原因になってしまいます。
タニグチ商会では、住宅の断熱性、気密性も診断したうえで、最適な薪ストーブをご提案しております。選定にお困りの際はお気軽にお問合せください!