チェンソーや刈払機を使う上で欠かせない混合燃料。みなさんはどのようにされていますか?ガソリンスタンドで買ってくる人、ホームセンターなどで買ってくる人、ご自分で作っている人など、さまざまだと思います。今日はその混合油に使われる2サイクルエンジンオイルについてご紹介していこうと思います。
2サイクルエンジンオイルの役割
大きな役割としては、エンジン内の冷却、潤滑、洗浄があり、特にエンジンオイルに求めらるなのは潤滑性能です。エンジン内にあるシリンダとピストンやベアリングなどの金属部品が高速で動いても、エンジンオイルの油膜によって金属部品が守られます。このオイル性能が良ければよりエンジンの高回転域でもしっかり保護してくれます。
2サイクルエンジンオイルの規格
2サイクルエンジンオイルはJASO日本自動規格で定められたFB級、FC級、FD級の3つの規格によってランク付けされています。アルファベット順位が大きくなるほどオイル性能は高くなります。それぞれの特徴を簡単に言うと、、、
FD級
一番高性能なオイル。特に洗浄性がとても優れているので、エンジン内のカーボンの蓄積が少なくエンジンが長持ちします。煙の少ないロースモークタイプもあります。
FC級
FB級より潤滑性に優れるFC級。オイルが少ない50:1という混合率はこのFC級以上の性能が必要になります。
FB級
経済的なFB級です。量販店などで格安で販売されているオイルです。一般に25:1の混合率で使用します。
FD級とFC級はオイルの容器に明記されていますが、FB級は商品に表記されていない場合が多いです。エンジントラブルがFB級は多くみられるので、あまりお勧めはしていません。一昔まえは、混合油は、ガソリン25:1オイルというのが一般的でした。しかし、潤滑性能に優れたFC級の混合オイルが誕生してからは、25:1に比べオイルの含有量が半分でいい50:1のオイルが増えてきました。オイルの含有量が少なければ、エンジン内の燃焼をスムーズになって、エンジンの掛かりがよくなったりパワーアップしたりしますので、当店ではFC級以上の2サイクルエンジンオイルの使用をお勧めしてます。
常に高回転域で使用するチェンソーは特に確かな品質のエンジンオイルを使った方がいいですね。
チェンソーや草刈り機に使われる2サイクルエンジンとは?
チェンソーや草刈り機の多くには2サイクルエンジンが使われています。その2サイクルエンジンは軽量でハイパワーという特徴があって、横向きにしたり、ときにはひっくり返したり、あらゆる角度で使う手持ちの工具にはとっても適したエンジンです。
2サイクルエンジンの仕組みをとっても簡単に言うと、エンジンが混合燃料と空気を吸い込み、圧縮し、そのあとスパークプラグによって爆発させて、力を生み出します。
エンジン(クランクシャフト)が1回転するごとに1回爆発するので、高回転型のエンジンが多く、小さい排気量でも大きな力を生み出すことができます。
粗悪なエンジンオイルを使うと、、、
粗悪なエンジンオイルの使用や、間違った混合率で使用してしまうと、様々なエンジントラブルが起きます。具体的には、マフラーのつまり、ピストンやシリンダの損傷です。
マフラーのつまり
粗悪な2サイクルオイルや混合率が濃い状態で使用すると、やがて排気ポートやマフラー内に不燃したオイル(カーボン)が蓄積していき、やがて詰まりエンジン回転が上がらない、エンジンがかからないという状態になります。
その場合は、適切な混合率で混合することはもちろん、FC級以上のオイルを50:1の割合で使用することをお勧めします。
ピストンやシリンダの損傷
粗悪な2サイクルエンジンオイルの使用や、混合率が薄い状態で使用すると、エンジンが高温になったときに、ピストンとシリンダの間にあるエンジンオイルの油膜が切れてしまい、やがて金属同士が擦れてしまい損傷してしまいます。そうなるとかなり高額な修理費がかかるか、そもそも修理ができないという状態になってしまうので注意が必要です。この場合もFC級以上の2サイクルエンジンオイルを50:1の割合で使用することをお勧めします。
混合燃料は自分で作るべし!
粗悪な混合燃料を避けるために、できるだけご自分で作られた方がベターです。
当店のお客様でトラブルの多いのは、混合燃料をガソリンスタンドで購入されている方です。すぐにどうなるということではないのですが、長期間使うと、マフラーつまりや、蓄積したカーボンでエンジンが傷つきエンジンをダメにしてしまうケースが多いです。
専門店で扱う確かな品質のオイルと新鮮なガソリンをご用意していただき、適切な混合比で混ぜて作ってください。面倒とおも思われるかも知れませんが、その方がエンジンや作業者、環境にまで優しいです。
最新のエンジンには、最新のエンジンオイルを。
近年、環境に配慮すべく、燃費を向上するために燃焼効率のよいエンジンが多くなってきています。従来のエンジンに比べると、圧縮比が高く少ない燃料で効率よく爆発させる構造になっています。エンジン内部に送られる燃料の量が少ないので、当然エンジンを潤滑させるためのエンジンオイル量も少なくなります。そのため、エンジンオイルの性能もより高性能なオイルが求められています。
ゼノア純正2サイクルエンジンオイル 50:1
国産のFD級2サイクルエンジンオイル。高い潤滑性能で長期の過酷な運転にも対応します。タール・カーボン付着を軽減によってエンジンも常に綺麗な状態を保ちます。しかも煙も少ない安心性能。値段は高性能エンジンオイルの中では一番リーズナブルです。
スチール HPウルトラ2サイクルエンジンオイル 50:1
最高の潤滑性能を誇る100%合成オイル。高い潤滑性、高い洗浄性とカーボンの生成の防止効果を発揮します。500時間使用したピストンでも消耗が極めて少なく新品同様です。また、オイルは生分解性なので自然にとてもやさしいです。最高ランクのオイルなので値段ははりますが、エンジン性能を長く保てるのでハードユーザーにはお勧めです。